GNSS基準点あれこれ ・・・最近復旧のご依頼が多いのです

投稿者: | 2017年4月17日

アペオ技研壮年測量屋さん「mogera」です♪

昨年のGNSS基準点のご依頼で復旧が3件もありました。
基準点復旧といっても、亡失後となり、そこでGNSSでの新設法での復旧でしたが
復旧を要望されるのは「公共基準点であるから」という事由からかと思われますが、公共申請から作業実施、成果検定までの一式のご依頼が普通となります。
今回、実はこれが業務により作業内容がみんな違ってまして、法的手続きや検定の実施法まで 計画時に不明点が多くて、
で、国土地理院や測量協会に出むき、事前に打合せさせていただきました。
ご助言ご教授。。。色々勉強させてもらい。基準点屋のmogeraとしては、
中々楽しい業務させて貰って 嬉しい限り♪ 感謝感動なのでした♪

 

■街区三角点の復旧。。。
地理院に相談時に、ご存知のとおり街区三角点は2級基準点相当ですが、近傍の街区三角点等を既知として使用せず電子基準点オンリーでの2級基準点新設法をむしろ推奨されまして ご助言ととおり当該方法で実施。
電子基準点オンリーは 観測も整理もほんとに楽で 同方法が推奨されるのは大助かりです。
ちなみに、街区基準点の復旧では 測量点の名称 を変更するのが 国土地理院の推奨。。。というか、行ってほしいとの項です。

■他管理の3級公共基準点の復旧。。。
市道改良工事に伴う撤去からの復旧ですが、対象基準点が「国」のもの
復旧の場合「移転等を必要とする当事者が、基準点そのものの当該管理者に依頼する」が原則
この場合は、復旧等の費用は当事者が管理者に支払い、管理者が復旧作業を実施するのですが
で、今回の問題はその復旧費用の出所
今回は「市」が費用を道路工事の中に含めて拈出するため、「公共測量実施計画書」の提出者(作業監理者)を どうするの?という問題が発生
結論は前出のとおり、「国」から公共測量の届出を行い、作業監理も当然国ですが、実務的には市が監督し報告するという手法に
何故こうするかは、国土地理院の助言として、例えばこの場合復旧点を作業者だからという理由だけで「市」から公共申請すると、公共成果の登録としては復旧基準点の所管が「国」から「市」に変わってしまうのだそうです。
このような法的・行政的な知識は経験してみないと気づかないものですね。

■工事による工事業者からの3級公共基準点の復旧。。。
土木工事業者様からのご依頼ですので、公共申請、作業実施、成果検定、公共測量の完了までの完全委託
前項の基準点の復旧でも同じですが、基準点の復旧に限り同級の基準点を既知点として使用してよい と作業規程にあります
業務実施にあたり、改めて作業規程見直して 恥ずかしながら始めて知りました(汗。。。基準点屋として恥ずかしい)
この作業規程の方法は実務的判断でとても良いですよね
特に3級基準点の場合は隣接する基準点を無視して遠謀の高位の基準点を使用した場合、経年変化によっては隣接点との関係がかんばしくなくなる可能性もあるので、近傍点を主として平均計画をかけるのは 現地の現実味のある精度の担保には有用だと思います。

復旧もご依頼も頂きますが、新設点設置のご依頼も頂いてます。

先日2級基準点測量のご依頼により、ひさしぶりに 10mのGNSSタワーを山中に上げてきました・・・
本来は、2級基準点ならば電子基準点固定でこのようなタワー設置はほぼばくなっていますが
どうも 管理業務に伴う基準点の再設のようで 昔使った三角点を既知として新設してほしい との計画機関要望のようです。
そこで、山中の四等三角点にタワーを上げざるえなくなってしまった訳です。
・・・四等ってやばいよな~昭和46年設置かぃ。。。うまく結合の許容範囲 入ってくれれば良いがなぁ 。。。と 思いつつ

某社のこのタワーシステム アペオ技研では15mまで上げる装備が完備されてます
1セット実に100万円以上。。。アペオ技研にあることじたい凄いのですが ・・・なにせ測量って、なかなか使わない高価な装備も用意しなければならんので大変です。。。
私自身も実に3年以上ぶりの設置。。。整準までに4人で3時間弱かかりました。
2時間はかかるかなぁ と思っていましたので、午前上げて午後おっとりで観測の1セッションできれば御の字 と 気楽に構えていましたので、時間の経過をあまり苦にせず作業やったので ストレスはなかったでしたが。
これも 一昔前なら GPS衛星の不足で観測時間縛られてましたから なかなか出来ない手法なんですが、今は良いですよね。
GNSS 当社はグロナスまでですが、取得衛星が24時間常時5衛星難なく取得できるので、このような時間に縛られない観測計画も安直にできてしまってます。

計算結果なのですが。。。
このタワー上げた三角点の位置及び標高の精度が 出会差で約10cm。。。久々に許容範囲に近い誤差値を見てしまいました。
電子基準点既知で観測してますと、実に数cmの誤差しか見れませんので、かえって 電子基準点とGNSS観測の凄さを 今回再確認しました。
とりあえず許容範囲は全部クリアーですので、実用平均までおこなって精度管理記録とともに提示、了解を得て成果検定持込です。
ちなみに、私がタワー上げる場合は 時間の余裕があればですが、できるだけ2時間観測してます。。。ということで、、今回の観測も電子基準点固定の平均計算も行えるデータ量ありますから、これも行ってみました。
あんのじょう というか ある意味で安堵の結果の やはり このタワー設置した四等点のみ 結合差と同じ10CMの変動がみられました。
やはり、世界測地系で行う近代の測量は、あまり古い既知点は利用しないほうが良いのではないかなぁ と思う結論です。
・・・ふむ 業務として本当に良かったのかな 古い成果の三角点使用は。。。と悩むところです。

ちなみに、アペオ技研に入社させて頂いて 基準点測量の成果検定受ける仕事が めちゃ多くなってます。
ちょっとこれは予想外で、年間5件くらいは 普通になんやかやで測量協会にご依頼させて頂いてまして
測量協会とお付き合いさせて頂くと、近年の測量事情のなにがしが 色々勉強させて貰えるので良いです。。。そういう機会が増えるのはありがたやぁ♪ なのです

UAVを含め、超近代測量がどんどん実用化されていますが、それだからこそ 本来の成果を出すために
単なる測り屋ではなく、良い悪い結果を予測し、本来の顧客要求に耐える実業を提案できる測量技師になっていくよう目指したいものです。

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