いまさら聞けないジオイド(前編)

投稿者: | 2017年6月5日

測量に携わっていると普通に目にする『ジオイド高』

ネットでぐぐると、ひらたく言うと『等重量ポテンシャル面』と良く目にする。

はて?字のごとくとは思うが説明できない。

入社3年目のN君に、ジオイドって何??

と質問しN君がまとめてくれましたので、前編・後編に

わけてここで紹介したいと思います。

●ジオイドってなんだ?

ずばりジオイドとは!

『地球の表面の7割は海洋で覆われており、測地学では世界の海面の平均位置にもっとも近い「重力の等ポテンシャル面」を「ジオイド」と定め、これを地球の形状としています。日本では、東京湾平均海面を「ジオイド」と定め、標高の基準としています(離島を除く)。したがって、標高は「ジオイド」から測った高さになります。』

※国土交通省 国土地理院 ホームページ 「ジオイドとは」 より一部抜粋。

な……なるほど? 分かったような分からないような。

そもそも、自分の中でジオイドの解釈は「平均海面を水平に延した面であり、楕円体面とこの面の比高をジオイド高という」くらいなもの。

ジオイドとは世界の平均海面に最も近い「重力の等ポテンシャル面」のこと、らしい。

●重力の等ポテンシャル面?

『水が重力だけを受けていると仮定すると、その水が地球の表面で落ち着いたときにつくる面を、測地学や地球物理学では、「重力の等ポテンシャル面」、測量分野では「水準面」と呼んでいます。この「水準面」は、すべての場所で重力の方向と直交します。』

※国土交通省 国土地理院 ホームページ 「ジオイドとは」 より一部抜粋。

つまり水溜りの表面も「重力の等ポテンシャル面」ということか?

「水平」という言葉を説明するときに「水面と平行の面だよ」と言ったことがあるけれどそういうことなのか?

そう解釈するとジオイド面は常に一定の面で、地球規模で考えれば綺麗な球体を描き、ジオイド高は一定だと思えるが。

しかし、そうは問屋が卸さない。

●ジオイドはボコボコの洋ナシのような形?

調べてみるとジオイドは綺麗な球体をしているのではなく、北極と南極辺りが凹み赤道付近が突出し所々が凸凹の洋ナシを横にした形に似ていた。 ど、どういうことだ!

これには「重力の等ポテンシャル面」という通り、この面は重力の影響を受けこんな変な形をしているらしい。

……そもそも重力って何なんだ?

「重力とは引力と遠心力の合力である」

……重力と引力って何が違うの?

上記の言葉をベクトルで解釈すると、

引力 + 遠心力 = 重力

ということ?

……引力と遠心力と重力。 分かっているようでよくわからない言葉だ。

●引力と遠心力と重力

引力はひとまず置いておいて、「遠心力」。

ハンマー投げを想像すると分かるが、物体が回転しているときに物体にかかる外への(物体の中心から遠ざかる)力である。

地球もハンマー投げ……ではなく地軸を軸に時計回りに自転しており、もちろん地球自体にも遠心力がかかっている。

そして遠心力は物体の中心から離れれば離れるほどその力は強くなるので、

つまり、地球で言えば地軸から一番遠い赤道付近が一番遠心力が強くなり地軸に近い北極と南極付近が一番遠心力が弱くなる。

このことから実は地球は、地心を中心に赤道方面に長く北極と南極方面に短い、「楕円の形」をしているのだ!

「引力 + 遠心力 = 重力」という仮定の式から遠心力が強くなる赤道付近は重力が弱くなり、

遠心力の弱い北極と南極付近は重力が強くなる、ということは「重力の等ポテンシャル面」なるジオイドも

地球の形と同じように楕円体の形をしているはずじゃ……?

でもジオイドは凸凹の洋ナシを横にしたような形。なんでだ?

ここで「引力」の出番です。
●引力……それは筆者の頭を痛くするもの

「引力とは、物体と物体の間に相互作用する、お互いを近づける力」

例を挙げれば「磁石」みたいにお互いがくっつこうとする力。(磁石がくっつくのは引力ではなく磁力だが)

……あれ?なんとなく地球の中心に引っ張られる力が引力だと思っていたけど。

「引力は、全ての物体に存在しお互いにその力を及ぼし合っている」

……ということは地球だけではなく、その辺の石でも水でも犬でも人でも引力は持っているということか。

「引力は質量の大きいもの程、その力は大きくなる」

……ふ、ふむ、なるほど……。

「その原因は素粒子」

……。

素粒子まで話がでかくなってきた・・

前編はここまでで、後編につづく

 

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